こんにちは、渡辺有です。
「老後は誰の世話にもならん!金を貯めて施設で暮らす」
そんなセリフを聞いたことありませんか。リアルでもドラマでも。
それは無理。
そう実感しました。
介護は施設にお願いできても、手続きは無理…とはいわなくても困難です。
もちろん大金持ちは別
大金持ちとかって、資産いくらからをいうのは分かりませんが。笑
士業の人を雇って保証人とか後見人とか、あらかじめ決めて雇っておけば大丈夫でしょう。
この「あらかじめ」が肝心です。
本当に必要になるのは、体が思うように動かなくなったり、適切な判断ができなくなったり、決断や契約をする気力がなくなってからが多いのです。
例えば突然脳梗塞で半身不随になったとき、入院中のベッドで今後の暮らしについて、どのように決めていけばよいのか。独りで決断して決定していくことは難しいです。
「施設で暮らす」が口グセだった父
父は自分が独りになったら施設で暮らすと決めていました。
そのためにお金も貯めていたようです。
それを聞いてわたしも安心していました。
父とは仲が悪かったし、何より遠かったので。
本当にそう思うのであれば、まだ健康なうちに「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」に引越す・予約をするなどしておいたほうがいいです。
今スグ必要!となったときに、希望の場所に空きがあるとは限りませんので。
介護サービスを使って自宅で暮らす
自宅で暮らすにしても、介護サービスを使えばどうにか独りでやっていける。そう思っていませんか。
確かに軌道に乗ればそれも可能です。
しかし介護サービスを受けるには、まず介護認定を受けなければなりません。
父の場合、認定を受けるための面接はスグに行えました。
しかし結果が出るまでに2ヶ月かかると言われたのです。
とにかく認定会議が混み合っていたようです。
とりあえず暫定で要介護度を低めに設定し、前倒しでサービスを受けることは可能です。
システム上は。
しかし訪問介護(生活支援)の会社がどこもいっぱいいっぱいで、週1回1時間程度なら…という話でしたが、結局来ることはありませんでした。
介護認定からサービスを受けるまで
父の場合、介護認定を待っている間に入院となり、前回の面接から介護度が上がっているだろうということで、最初の申請を取り下げて、再面接をお願いしました。
前回の面接では「要支援」の予想でしたが、入院後は「要介護」が取れないと受けられないサービスが必要だったこともあります。
しかしその結果が出る前に、父は亡くなりました。
結局出たのは「要介護2」。
施設に入るにしても(要介護でないと入れない施設もあります)、訪問介護サービスを利用するにしても、それまでのツナギとして自宅介護(もしくは入院)は必須なのです。
入院も施設入所も「保証人」が必要
入院にしても、施設に入所するにしても、保証人は必要です。
そしてこの保証人には、かなりの負担と責任がついてきます。
アパートの保証人のように、最悪の場合お金を払わないといけないというようなものではなく、いつでもスグ駆けつけられる状態でないといけないのです。
具体的には、入院の場合では緊急の場合には昼夜を問わずスグに駆けつける。
施設では緊急呼び出しはもちろん、通院時の付き添いや、入退院の手続きなど。
近くで暮らしていないと、保証人はまず無理ではないでしょうか。
子供がいない・子供が遠方に住んでいるなどで頼れない場合、自分の兄弟などに頼むこともあると思います。
しかし高齢者の兄弟姉妹はやはり高齢者。
重大な判断や決断は荷が重い、そしてその能力がない場合もあります。
甥や姪に頼る場合
父が生前「あいつ(甥)はスグ見返りを求める」と怒っていたことがあります。
わたしに言わせれば当然です。
甥には伯父の言いなりになる義務などありません。
「何かを頼みたいなら手間賃を払って、仕事と割り切ってやってもらったらいいんじゃない」と言ったら「そういう考えもあるか」なんて言っていましたが。(結局甥には頼みませんでした)
子供がいなくて、甥や姪に頼らざるを得ない場合も多いと思います。
そんな場合はあらかじめ、手伝ってもらう甥や姪に遺産を遺す手続きをするなり、手数料を払うなりしておいてはいかがでしょう。
その上で引き受けてくれるかどうかは、本人次第。
決定権は甥や姪にあります。
親戚だから、子供の頃世話をしてやったから、ことあるごとにお祝いを渡してきたから当たり前、なんて通用しません。
これまでどのような関係を築いてきたかが鍵になりそうですね。
ざっくりとした方向性は決めておく
父が入院してから亡くなるまで、毎週片道5〜6時間かけて単身通いました。
わが家は隣が義実家で、頼ることができたから可能なことです。
そうでなければ、小学生の子供2人いたらまず無理でしょう。
「老後は誰の世話にもならん!金を貯めて施設で暮らす」
そう考えているのであれば、手続きなどをしてくれる人、保証人になってくれる人、介護サービスを受けるまでのツナギに介護してくれる人を確保する必要があります。
それらも含めて「金を貯める」。
そう考えると、いざ自分の時はそれができるのか、非常に悩ましいです。
親と離れて暮らす子供世代も、いざという時どうするのか。
親が健康なうちに話し合っておくことをオススメします。
※ここで書いたことは、わたしが実体験に基づいて感じたことです。
実際の制度とは異なる部分があるかもしれません。また個々の状況によって違ってくると思います。
あくまでわたしの場合ですので、参考程度にお考えください。